Windows 10 Mobileと新しいモバイルデジタルライフ

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Jun, 26

【コラム】Microsoftよ!Windows 10 Mobileの本気を見せてくれ!

フリーライターの甲斐寿憲です。
今回のコラムは、いちWindows 10 Mobileユーザーとして執筆させていただきたいと思います。

正直、世界を見渡せばWindows 10 Mobileの今が「明るい」とは言い難い。グローバルのニュースを見るとWindows 10 Mobile関連のニュースは暗いものばかりだ。

例えば、2016年3月30日から開催されたMicrosoftの開発者カンファレンス「Build 2016」においてWindows 10 Mobileの発表は皆無であったり、5月25日には世界で最大1850人の人員削減を実施するスマートフォンハードウェア部門の縮小を発表している。Lumiaシリーズが海外市場において事実上のWindows 10 Mobileスマートフォンであるため「このままMicrosoftはWindows 10 Mobileを辞めてしまうのでは?」とネット上でユーザー間の憶測となっているのは致し方のないことである。

Windows 10 Mobileはこのままフェードアウトしていく。果たして本当にそうなのだろうか?

人員削減について、Microsoftのサティア・ナデラCEOは「われわれは電話事業を差別化できる分野にフォーカスする。今後も、すべてのモバイルプラットフォームを横断する端末およびクラウドサービスにおける改革を続ける」と声明を出している。これはまさに「Windows 10 Mobileに固執しない」と捉えられる発言だ。Windows 10 Mobileは今後もMicrosoftの事業の一角として開発は継続していくという旨の発言もあったようだが、ここのところの米国Microsoftの「Windows 10 Mobile離れ」のようなな発言や動きは、日本国内のサードパーティーやユーザーを不安にさせている。

考えてみよう、MicrosoftはWindows 10 Mobileだけでなく、iOSやAndroidにもOfficeアプリを提供している。Office 365やOneDriveといったクラウドも利用できるようにしている。親和性の高さでは劣るが「Microsoft謹製アプリを使うならWindows 10 Mobile」というメリットが薄れてきているのも事実だ。そんな中、Microsoft製以外のWindows 10 Mobile端末がほとんど登場していない海外では「Windows Phoneは見切られた」という議論が続いてもおかしくはない。

さて、話を日本国内へ移そう。
世界的に見て日本のWindows 10 Mobile事情は、少し特殊だ。これほどまでに多くのメーカーから機種がリリースされている国というのは日本しかないだろう。現状、MADOSMA、NuAns NEO、VAIO Phone Bizの「W10Mの3強」が市場を牽引している。そもそも日本国内ではLumia不在なのだ。Lumiaが終了しようがしまいが、今までと実際の販売の現場では変わりないのも事実だ。
そして、そもそも日本の市場で各メーカーがWindows 10 Mobileスマートフォンをリリースしたのか。多くのメーカーが「法人ユーザー向け」を基本としている。要はビジネス用途における「Windows環境との親和性の高さ」がセールスポイントなのだ。これは他のAndroid OSやiOSに互換アプリがあったとしても、Microsoft製OSだからこそのMicrosoft OfficeをはじめとするPC向けのMicrosoftのサービスとの親和性が他にない強みとなっている。ということは、先にもMicrosoftのOSの開発自体が終わらないかぎり、日本国内のWindows 10 Mobileプラットフォームが終焉をむかえることは、おそらくない(ただし、ハードが古くなりアップデート対象外機種になる可能性は無くはない)。問題は「今後も継続的にWindows 10 MobileのOSを開発していくのか」という点だろう。
だが、法人向けという路線を進むWindows 10 Mobileの前途も明るいものではない。日本市場においては大きな壁が立ちはだかる。それが圧倒的に普及したiOSの存在だ。日本市場でWindows 10 Mobileは、コンシューマーであろうが法人向けであろうが、iOSと競り合わなければならない。

先日、東京で行われたMicrosoftの開発者向けの「de:code」、台湾で行われた「Computex」のWindows 10 Mobileのブースで、日本国内で発売されているWindow 10 Mobile各機種は申し訳程度の展示で終わっている。なぜ、ここまでMicrosoftはWindows 10 Mobileを大々的にプッシュしなくなったのだろうか。ユーザーとして、知名度が低いコンシューマー市場について露出度が低いのままではAndroid、iOSとの差は縮まらない。むしろ、差は開いていく一方ではないか。各ハードメーカーにもPRの努力は必要だが、牽引するMicrosoftがSurfaceのみに力を入ていると捉えかねないこのような現状、ハードメーカーも後継機種を考えられないのではないだろう。

正直、筆者はWindows 10 Mobileユーザーとして、ジャーナリストとして「大丈夫」と太鼓判を押して本稿を〆たいところなのだが、本音をいうと、「不安要素はあるにしても先のことなど誰もわからない」としかいえない。ただ日々、取材し続ける中で、各メーカーともに「終わらせない。終わらせるつもりはない。そもそも終わるようなOS搭載機なら出さない」という見解はどこも同じだ。我々ユーザーは、その言葉を信じ、そして我々も盛り上げて、日本のWindows 10 Mobileシーンを作っていくことが何より大事なのではないだろうか。

そして、この夏にMicrosoftが日本のWindows 10 Mobileシーンで「本気」を展開してくれることを切に願っている。


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1 comment

  1. J・G・ハーマン 26 6月, 2016 at 16:35 返信

    自分もずっとWindows Phioneを使っているので気持ちは凄くわかります。
    ただ他のOSと比較して決定的な優位性が無い事もまた事実。
    いつかゲームチェンジできるような画期的なものが出てくることを(淡い気持ちで)期待しています。

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